9月分

寒い寒いよ。でもわくわくする。寒さと比例してわくわくが大きくなるんだよ。

2012年9月の読書メーター
読んだ本の数:20冊
読んだページ数:6378ページ
ナイス数:101ナイス

福袋福袋感想
角田さんの小説は共感できるようなできないような、理解できるようなできないようなものが多いけど、そんな感じのものが詰まった不思議な短編集。「白っていうより銀」「犬」が好き。
読了日:9月29日 著者:角田 光代
幻夜 (集英社文庫 (ひ15-7))幻夜 (集英社文庫 (ひ15-7))感想
『美冬』は白夜行ではまだ人間らしさがあったけれど、幻夜では殺人に対して何とも思わなくなっていたりして、中身も心のない人形になってしまったよう。白夜行では雪穂と亮治の繋がりが感じられたし、生きていくのに必死な二人を応援する気持ちもあったけど、『美冬』となった雪穂は水原を道具としてしか使っていなくてただ残酷で怖くなっていた。続編が出たら今度はどんな女性になっているか怖い、けど気になる。
読了日:9月28日 著者:東野 圭吾
まぶた (新潮文庫)まぶた (新潮文庫)
読了日:9月25日 著者:小川 洋子
そして扉が閉ざされた (講談社文庫)そして扉が閉ざされた (講談社文庫)
読了日:9月24日 著者:岡嶋 二人
女神記 (角川文庫)女神記 (角川文庫)感想
神様であっても嫉妬もすれば保身もするし、人間より人間臭いなと思った。でもその嫌な感情を隠しもしないところに清々しささえ感じたし、神も状況さえ同じなら人間と同じなんだと親近感を持てた。古事記を全然読んだことないので興味を持った。
読了日:9月22日 著者:桐野 夏生
体温を上げると健康になる体温を上げると健康になる
読了日:9月21日 著者:齋藤 真嗣
痺れる痺れる感想
自分の中の嫉妬や欲望など見せたくない部分をさらされている気分になってきて負の感情に共感してしまう。短編集に詰まっていて沼田さんの凄さに震えた。長編も面白いけど短編でもこんなに人間のいろんな面を描けるなんて。「沼毛虫」「普通じゃない」「エトワール」が特に好き。
読了日:9月20日 著者:沼田 まほかる
余った傘はありません余った傘はありません感想
ただ単に時系列だけの話じゃなく全体的に混沌としている。人も関係も環境も。でも成立しているような気もする。ちょっとした陰が鳥井さんのネタを見ているようで面白かった。
読了日:9月19日 著者:鳥居 みゆき
統ばる島統ばる島感想
沖縄はやっぱり日本と違う文化で違う時間が流れているし、こんなに島によって環境や風土が違うなんて。しかも自然は決して人間に優しくないことを教えてくれる。何度もしっかりしていない日本のせいで沖縄が犠牲にあってしまっているけど、この素晴らしい島々がずっと続いてほしい。八重山一度行ってみたい。
読了日:9月18日 著者:池上永一
地を這う虫 (文春文庫)地を這う虫 (文春文庫)感想
どの話も警察を辞めた人のその後というのが面白かった。短編でもこんなに中身の詰まっていて人物に愛着が湧くからやっぱり高村さんって凄い。「愁訴の花」と「地を這う虫」が好きでした。
読了日:9月16日 著者:高村 薫
五月の独房にて五月の独房にて感想
彩子にとって一番大切なものって何だろうと考えながら読み進めていた。結局それは若さと美しさだったのだろうか。バラバラ殺人って女性の場合は運びやすくするためという理由が多いだろうけど彩子はバラバラにするためにバラバラ殺人をしたという印象。
読了日:9月15日 著者:岩井 志麻子
夫婦一年生 (小学館文庫)夫婦一年生 (小学館文庫)感想
青葉は結婚に向いてないんじゃないかと言ってたけど、朔郎とも相手の親とも上手くいってるし向いていると思う。マンションの主婦友も色んなタイプの人がいるけど、それも楽しんで付き合っているよう感じた。最後、子供ができて終わるんだろうなと思ったらそのままだった。
読了日:9月13日 著者:朝倉 かすみ
12番目のカード〈下〉 (文春文庫)12番目のカード〈下〉 (文春文庫)感想
殺し屋の雇い主を追うミステリ部分も面白かったけど、人種問題や死刑執行人、刑事が自信を失う様子など色んな面で楽しめた。リンカーンの症状にもかなりの進展があったしそういう部分でも今後が楽しみ。
読了日:9月12日 著者:ジェフリー ディーヴァー
12番目のカード〈上〉 (文春文庫)12番目のカード〈上〉 (文春文庫)
読了日:9月10日 著者:ジェフリー ディーヴァー
監察医が書いた死体の教科書 「8何の原則」が謎を解く監察医が書いた死体の教科書 「8何の原則」が謎を解く感想
小説やドラマのように自殺を他殺に、他殺を自殺に偽装するってことが現実に結構あるのに驚いた。そしてそれに気付かれないことも少なくないってことにも。
読了日:9月8日 著者:上野 正彦
アミダサマアミダサマ感想
ミハル自身は無垢な存在なので、ただ大事な人がいなくなってしまうのを避けたいだけなのに魔のようなものを呼んでしまうなんて辛い。ミミを持っている人だけじゃなくて、カアサンのような人も巻き込まれてしまうなんてやるせない。生まれ変わってもまた同じことの繰り返しになってしまわないといいなと願う。
読了日:9月7日 著者:沼田 まほかる
土曜日は灰色の馬土曜日は灰色の馬感想
恩田さんの読書量は小さい頃から凄い多いなぁ。自分も漫画も含めて沢山読んでおけばよかった。これを今後の読書の参考にします。
読了日:9月5日 著者:恩田 陸
死ねばいいのに死ねばいいのに感想
アサミはなんであんなにいい子なんだろう。少しくらい「何で自分だけがこんな目に」と卑屈になってもよさそうなのに。「自分の思い道りにいかない、こんなに不幸なんだ」っていうところからじゃあ「死ねばいいのに」って言われるのは飛躍しすぎだけど、間違ってはいないのかも。
読了日:9月4日 著者:京極 夏彦
美女と竹林美女と竹林感想
結局なぜ森見さんは竹を刈っていたのだろう?と最後までよくわかんないけど楽しい本。森見さんももちろんだけど明石さんや鍵屋さんのお母さんがすごく面白い人で愛らしいキャラクターでした。
読了日:9月3日 著者:森見 登美彦
下町ロケット下町ロケット感想
前半の中小企業が大企業を相手に鼻を明かしていく様は小気味良く読んでいてただ楽しかった。後半からの社長が一人突っ走っている姿は痛い部分もあるかなと思った。社員のことを考えないで自分の思いだけを遂げようとするってことは大企業が下請け孫請け企業にやっていることと同じものを感じた。そうなると「仕事というのはカネじゃない」という言葉はワンマン社長のエゴにしかならない。
読了日:9月1日 著者:池井戸 潤

読書メーター

8月分

なぜか落ち着かない日々で、現実から逃避するために読書する。Raphaelのライブが迫っているからなのか、歳を取って大台に乗る日が近いからなのかわからないけど、フラットな時がなくて困る。秋と冬がやってくる。


8月の読書メーター
読んだ本の数:24冊
読んだページ数:7035ページ
ナイス数:107ナイス

海 (新潮文庫)海 (新潮文庫)
どの話も面白かったけど特に「バタフライ和文タイプ事務所」と「ひよこトラック」が好きでした。小川さんは官能が苦手とおっしゃっていたけど、漢字の造型を語るっていうのは凄く色っぽいことだと感じ管理人が話す言葉にドキドキした。
読了日:08月30日 著者:小川 洋子
闇椿 (光文社文庫)闇椿 (光文社文庫)
まゆって本当に不幸な星回りでかわいそうで仕方なく、結婚して普通の幸せを掴んでほしかった。失踪した"茜"と佐藤ミツコがどう絡んでくるのかと楽しめた。永井みたいな人って皆川さんの小説では読んだことなくて新鮮だった。
読了日:08月29日 著者:皆川 博子
GOSICKVIII下‐ゴシック・神々の黄昏‐ (角川文庫)GOSICKVIII下‐ゴシック・神々の黄昏‐ (角川文庫)
二人が結婚するという意外な結末でびっくりした。戦争について沢山書かれている割には少し浅かったのが残念だったがグレヴィールとブライアンのことが好きになれたのでよかった。セシル先生とアブリルのその後と、ブライアンの同時存在って一体?という謎が気になった
読了日:08月28日 著者:桜庭 一樹
GOSICK -ゴシック- VIII 上 ゴシック・神々の黄昏 (角川文庫)GOSICK -ゴシック- VIII 上 ゴシック・神々の黄昏 (角川文庫)
読了日:08月27日 著者:桜庭 一樹
阪急電車 (幻冬舎文庫)阪急電車 (幻冬舎文庫)
完全にいい人と悪い人に分かれていてそういうのが苦手だし、少し説教くさくて辟易とさせられた部分があった。全体的には直球な話なので読みやすかった。
読了日:08月25日 著者:有川 浩
図説 死因百科図説 死因百科
家を一歩出たら外は危険ばかり、どころか家の中も変わらなく危険にあふれてるように思ってしまう。こうやって生きていることって奇跡に近いのかもしれない。それにしても発見されたときに恥ずかしい死因でだけは死にたくないと強く思った。
読了日:08月24日 著者:マイケル・ラルゴ
ヘヴンヘヴン
自分でしるしを付けることと、斜視であることで苛められることはやっぱり根本的に違うってことなんだろうな。百瀬は嫌いだけど言ってることの一部は中学生にとっては真実であると思う。正しいか悪いかではなくて、したいかしたくないかに動かされることって中学生にはある。
読了日:08月22日 著者:川上 未映子
矢上教授の午後矢上教授の午後
沢山の人物が出てくるけど、それぞれキャラクターがはっきりしているのでほとんどの人が「ああ、こういう人いるなぁ」と思えたし、視点も次々変わるので面白いしさくさく読めた。殺人事件が起きているのにゆるい時間の流れている感じがする研究棟でした。
読了日:08月20日 著者:森谷 明子
メガロマニア―あるいは「覆された宝石」への旅メガロマニア―あるいは「覆された宝石」への旅
中南米の文明に興味はあるけど、天文学やピラミッドという表面的な知識しかない自分でも楽しめた。まだまだ謎が沢山あるなんてわくわくする。読んでいると自分の足で大きなピラミッドに登ってみたくなった。
読了日:08月19日 著者:恩田 陸
勝手にふるえてろ勝手にふるえてろ
イチみたいな人いたなぁ。自分もあんな人がいたらなんか気になるタイプだし、視野見なんていい方法思いつかずじっと観察してしまいそう。ヨシカのようにクラスの派手な目立つ女子達が苦手だったし共感できる部分が多かった。ニは最初、男で打算的なところが好きになれなかったけど、最期いきなり魅力的な人になっていてその差異にびっくりした。
読了日:08月18日 著者:綿矢 りさ
境界性パーソナリティ障害 (幻冬舎新書)境界性パーソナリティ障害 (幻冬舎新書)
読了日:08月17日 著者:岡田 尊司
ピース (中公文庫)ピース (中公文庫)
そのテレビ放送中に子供たちや小長を止めることや映さないことができたんじゃないかな…とか細かいことを考えてしまった。それをせずして、こんな大きな犯罪になってしまうのかな。会話もおしゃれと感じることができなかったし、梢路の母親との過去、咲との関係などわからない部分も多くて気になる。
読了日:08月16日 著者:樋口 有介
猫と針 (新潮文庫)猫と針 (新潮文庫)
騙し合いや相手の気持ちの裏を読んだりする会話は、戯曲でも小説と同じで恩田さん節があったのですんなり読めた。本当にオギワラがフィルムを盗んだのか、誰が殺したのか明らかにされていない部分が気になる。
読了日:08月14日 著者:恩田 陸
観覧車 (祥伝社文庫)観覧車 (祥伝社文庫)
10年という長い間、色んな思いがあった中でもずっと待ち続けていた唯はほんとに偉い。でも夫を好きっていう気持ちより、投げ出すきっかけがなかったのか、意地だったんだろうと思う。待ち続ける女にだってプライドがある。夫の失踪の理由が続編で判るようなので楽しみ。二人の再会ってどんな風になるんだろう。
読了日:08月14日 著者:柴田 よしき
湖底のまつり (創元推理文庫)湖底のまつり (創元推理文庫)
最初、このパラレルワールドのような出来事からどういう真相へ繋がるんだろうとわくわくした。中盤なんとなくその真相の一片には気付いて、次はそれがどう暴かれていくのかを楽しめた。一つ一つの会話や物に「こういうことだったのか」と最後まで飽きることなく読めた。
読了日:08月12日 著者:泡坂 妻夫
夜明けの縁をさ迷う人々 (角川文庫)夜明けの縁をさ迷う人々 (角川文庫)
ちょっと触れてほしくない人間のいやな部分に深く切り込んでいるけれど、汚くなく描いてあるので自分も小説の人物も肯定されているようで救われる。「教授宅の留守番」「ラ・ヴェール嬢」が好きでした。
読了日:08月11日 著者:小川 洋子
続巷説百物語 (角川文庫)続巷説百物語 (角川文庫)
前作もだったけど、よりエンターテイメント性がアップしていてるし、又市、おぎん、治平の過去が少し見えて読みやすかった。百介の兄・軍八郎と田所のまっすぐなところが好き。
読了日:08月10日 著者:京極 夏彦
すべて真夜中の恋人たちすべて真夜中の恋人たち
相手を知るってことは質問と答えの繰り返しなんだなって思った。たとえ時間がかかっても、おうむ返しでも。人付き合いが苦手で器用に生きられない冬子がすごく愛おしくて、三束さんもいいなぁって思える人で二人の関係がこのまま続いて欲しかった。冬子と三束の会話は光のように吸収したり反射したりで一つの言葉を大事に吟味していて相手にとても真摯だった。
読了日:08月07日 著者:川上 未映子
廃墟建築士廃墟建築士
「七階闘争」が好き。自分の中の違和感と周りの平静さとの差が面白い。「覆面社員」や「動物園」の話がちらりと出てくるのもにやりとできて嬉しい。
読了日:08月06日 著者:三崎 亜記
緑ヶ丘小学校大運動会緑ヶ丘小学校大運動会
運動会のっていうのが懐かしくてしょうがなかった。当日の保護者も含めたお祭りのような華やかさと、慌しさ。それに事件が乗ってさらにごちゃごちゃしていく様子が想像できる。実際こんな事件が起こることは中々ないだろうけど、母親間でやりとりされるメール文とかはリアルだなと思った。
読了日:08月05日 著者:森谷 明子
猫鳴り猫鳴り
猫は飼ったことがないけど、動物を飼ったことがある人ならわかる部分が沢山ある。犬猫で15年以上一緒に生きていくと、人間側も子供は大人になるし、大人は老人になり、人間側が先に逝ったりする。環境も変わる中で動物との関係も変わってきたりして凄く興味深かった。信枝が藤治に秘密にしていたこと、アヤメの家庭のこと、モンという名前の由来が知りたかった。
読了日:08月04日 著者:沼田 まほかる
ポロメリアポロメリア
「Raininng」の一節があったりして「おっ」となった。沖縄の、日本であって日本でない景色や風習に文化の違いを感じたけれど、小学生中学生の女子の環境や気持ちの動きは変わらない。理由のない暴力性や凄く潔癖なところなどわかる部分がたくさんある。自分の中にある時間と実際の身体の成長の時間や、周りとの間に差があって中々受け入れられなかったことってあったなぁ。
読了日:08月03日 著者:Cocco
私の家では何も起こらない (幽BOOKS)私の家では何も起こらない (幽BOOKS)
一つの家で起こる事件事故にまつわるホラー。この少しのゾクゾクと不気味さが心地よかった。「黄昏の百合の骨」もだけど恩田さんの描く洋館はほんとに雰囲気がある。住みたくはないけど、ほんの少し覗いてみたい。
読了日:08月01日 著者:恩田 陸
魔術師(イリュージョニスト)〈下〉 (文春文庫)魔術師(イリュージョニスト)〈下〉 (文春文庫)
わかっているはずなんだけど、どんでん返しと誤導の繰り返しで息つく間もないくらいの展開でした。アメリアが刑事になることで今後、事件や周りの刑事との関わりにも楽しみが広がりそう。
読了日:08月01日 著者:ジェフリー ディーヴァー

2012年8月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

楽しみ

minimocha2012-08-04

犬神サーカス団から犬神サアカス團になるということで、楽しみな部分とちょっと不安というかなんというか、今までの犬神が好きだったからあまりに変わってしまうのは…という気持ちがあったけど、新しいアルバムの怖そうなタイトル見ていると楽しみの方が膨らんできた。鈴木さんがゲストってどういうことだろう。人間椅子も好きなのでそれもまた楽しみだー。よりアングラか…。ポエトリーリーディングとあるから、ニコニコとかに動画であがっているほんとに初期の犬神になるのかなー。どんな感じなのか、ついていけるのか。

7月分

毎日暑いですね。何をしても暑くて死にそうで、喋るのにも、食べるのにも口を開くのが面倒でしょうがない。より人間としてダメになっていく。喋り方を忘れていく。どう夏を過ごしていいのかわかりません。計画停電に怯える日々。何その地獄。

7月の読書メーター
読んだ本の数:18冊
読んだページ数:6042ページ
ナイス数:88ナイス

魔術師(イリュージョニスト)〈上〉 (文春文庫)魔術師(イリュージョニスト)〈上〉 (文春文庫)
読了日:07月30日 著者:ジェフリー ディーヴァー
ナニカアルナニカアル
当時は絵画なども戦意高揚のためのものを描かされていたりしたけど、作家にはペン部隊というものがあったなんて。夫がいるけど恋人もいて、その子供を内緒で産むなど、この時代の混乱の中だから可能なのかな。どこまでが本当に林芙美子に起こったことかわからないけど興味深かった。
読了日:07月28日 著者:桐野 夏生
トロイメライ 唄う都は雨のち晴れトロイメライ 唄う都は雨のち晴れ
トロイメライの続編で、気になっていた虎寿達のその後がわかったりして嬉しかった。黒マンサージの正体がいまだにわからない…。また続編あるとわかるんだろうか。
読了日:07月26日 著者:池上 永一
ブラフマンの埋葬ブラフマンの埋葬
埋葬ってタイトルに入っているので別れの時が来るんだろうと思いながら読むことになったけど、こんなに早く唐突にその時が来るなんて。もっと長い時間を創作者の家で過ごして欲しかった。一晩でおくるみを作ってくれたレース編み作家がいい。最後までブラフマンが何の動物なのか気になるもわからなかった。庭から林、森まで風景と夏なのにひんやりとする温感が肌で感じられるような小川さんの文章が特に活きる小説でした。
読了日:07月25日 著者:小川 洋子
太陽を曳く馬〈下〉太陽を曳く馬〈下〉
ほとんど理解できていないけど、仏教家達がオウムをインチキと言う前に真剣に論争しているのが面白かった。彰之の彰道への手紙はこれは坐っている状態の僧侶の頭の中じゃないのかなと思う不思議さがあった。これから合田はどうなるんだろう。こんな弱い合田は初めてだった。
読了日:07月25日 著者:高村 薫
太陽を曳く馬〈上〉太陽を曳く馬〈上〉
三年前の事件の話が大半でその話が末永の件にどう繋がるのか、今回の捜査が進むにつれ何か三年前の事件が大きく変わることがあるのかと思うと緊張しつつ読み進めていた。オウムも絡んでくるのか、楽しみ。そして合田と加納の今後も。
読了日:07月22日 著者:高村 薫
赤い指 (講談社文庫)赤い指 (講談社文庫)
一人の家族を守るために他の家族を犠牲にしようとするなんて悲しすぎる。昭夫にはもっと早く自分の犯そうとしている罪に気付いてほしかった。加賀とお父さんとの最期の話が知れてよかった。お父さんはそんなに自分を責めないでいいと思うけどな。
読了日:07月19日 著者:東野 圭吾
砂時計 (光文社文庫)砂時計 (光文社文庫)
推理小説集ってことだけど推理部分はあまりなく、主に紋章上絵師や手品についてのストーリーという感じ。それを職業にもしていた泡坂さんによるものなのでもちろん楽しく読める。やっぱりどの話のどの登場人物にも泡坂さんの愛が感じられる。
読了日:07月18日 著者:泡坂 妻夫
桃色トワイライト (新潮文庫)桃色トワイライト (新潮文庫)
好きな小説家の人のエッセイ読むと主義主張が強すぎて辟易することがあるけど、三浦さんのエッセイはただただ楽しいから好き。ダメな女子っていつまでもダメだけど、かわいい。
読了日:07月17日 著者:三浦 しをん
アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)
外国人に対して嫌だとか思ったことなかったのでそういう風に考えてる人が沢山出てきてびっくりした。むしろ文化の違いなどがあるからこそ面白いんじゃないかな。特にドルジってば魅力的。本屋襲撃に対してどう考えても強盗以外の意図がありそうなのに参加してしまっている椎名ってば一番変人かも。
読了日:07月16日 著者:伊坂 幸太郎
ばらばら死体の夜ばらばら死体の夜
解は何でも手に入れようとするずるい男だ。そしてゴミ箱に人差し指をすてるとそのまま何もなかったように忘れられる。大人としての生活が成り立ってなかった解と美奈代の二人の関係はどちらかがどちらかを殺さない限り終わらなかったんだろうなと思った。
読了日:07月14日 著者:桜庭 一樹
トロイメライトロイメライ
何ごとも全部解決じゃなくて少しの無常があるところが良かった。テンペストと同時代の話で王宮との遠さを感じることができたし、テンペストに出てきた人物が沢山出てくるのが楽しかった。
読了日:07月13日 著者:池上 永一
絵小説絵小説
宇野さんの絵が合っているなぁと思っていたら、小説の方が絵にそって書いてあるなんて面白いなと思った。「赤い蝋燭と」「美しき五月に」が好きでした。
読了日:07月12日 著者:皆川 博子
オリンピックの身代金オリンピックの身代金
東京オリンピックが開催された年から50年近く経って変化したことは沢山あるけど、変わってないものも多いんだなと思った。仕事の元請け、下請け孫受けの形態での待遇や、そこに関わる人の諦めなど。体制側に対する国男の反発に凄く共感できたので、なんとか思いを遂げてほしいと応援してしまった。でもできるなら国男には犯罪を犯さない形で日本を変えて方に従事してほしかった。
読了日:07月11日 著者:奥田 英朗
優しいおとな優しいおとな
出てくるほとんどの大人に悪い人がいなくて、大人も子供もまっすぐだからこそ生き難いんだろうなって思えて嫌いな人がいなかった。「子供を持った母親のエゴイズム」っていう言葉が印象的。読後感が良かった。
読了日:07月07日 著者:桐野 夏生
馬たちよ、それでも光は無垢で馬たちよ、それでも光は無垢で
ちょっと薄れつつあったあの日のテレビや写真でみた衝撃が蘇った。古川さんがその時感じたことをそのまま言葉にしてあったので直球でガツンとくる。
読了日:07月06日 著者:古川 日出男
ヴィヨンの妻 (新潮文庫)ヴィヨンの妻 (新潮文庫)
読了日:07月05日 著者:太宰 治
聖餐城聖餐城
この時代のヨーロッパの歴史は薄い知識しかないから難しいかと思ったけど割りと読みやすかった。日本はそんなに宗教も民族も多くないからこんなことが起こり得るのかぁと興味深かった。残虐な掠奪や国を超えて傭兵を雇ったりするこのがあることも。出自がわからないし、信仰するものがないアディがとにかくフロリアンに忠実に仕えこの長い戦争を通じて大人になっていく姿を見守って読み進めるこのが出来て楽しかった。アディはなんで馬の胎から生まれてきたのかやっぱり気になる。
読了日:07月04日 著者:皆川 博子

2012年7月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

6月分

最近結構読んでいるけど、暑くなってきたのでこれからは読書量落ちそう。暑いともう何もできない。冷房は苦手だし夏って年々苦手になっていく。辛い。


6月の読書メーター
読んだ本の数:19冊
読んだページ数:6694ページ
ナイス数:106ナイス

夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)
ますます中学生の頃の小佐内さんに何があったのか気になる。そしてやっぱり小佐内さんかわいい。復讐に燃えるところもなお良し。これから二人の関係はどうなるのか楽しみ。
読了日:06月30日 著者:米澤 穂信
ユリゴコロユリゴコロ
美紗子はどうして人を殺しても何にも思わないどころかユリゴコロを感じる人間になったんだろう。美紗子の罪を家族が背負ってしまい変わりに罪滅ぼしをしているのが読んでいて悲しかった。亮介は血が繋がっていなくても父親に似て女性の全部を受け止めて理解していていいなぁ。
読了日:06月29日 著者:沼田 まほかる
ミーナの行進ミーナの行進
中学生になる女の子が自分と少しの大人しか周りにいない小さな世界から出て新しい場所に行くのに不安を覚えるのがすごくわかる。そしてその新しい世界での生活が、人も周りのモノもこんなに夢のように素晴らしいものなんて。少女の頃に無条件で愛されるってことはどれだけ大切かってことに尽きる。この1年間を抱えて生きていけるってことがただただ羨ましい。
読了日:06月28日 著者:小川 洋子
ドグラ・マグラ (下) (角川文庫)ドグラ・マグラ (下) (角川文庫)
あぁ面白いこの先どうなるんだろうと思ったのもつかの間よくわからない。あ、やっぱり面白くなってきた、やっぱよくわかんないの繰り返しでした。狂っているかどうかは紙一重だし、狂っていないからって生き易い世の中ってわけでもないんだなと思った。「胎児の夢」が面白かった。
読了日:06月26日 著者:夢野 久作
ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)
読了日:06月24日 著者:夢野 久作
石の猿〈下〉 (文春文庫)石の猿〈下〉 (文春文庫)
今作もハラハラする場面が多くて楽しかった。アメリカ人が外国人を描くとき、よりその外国人っぽくするための過剰さが目立つ気がするけど、それがあまりなく許容範囲内でよかった。ソニー・リーがかっこよすぎる。リンカーンアメリアの子供のことなど今後どうなるか気になる。楽しみ。
読了日:06月22日 著者:ジェフリー ディーヴァー
石の猿〈上〉 (文春文庫)石の猿〈上〉 (文春文庫)
読了日:06月21日 著者:ジェフリー ディーヴァー
粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫)粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫)
前作の拷問シーンなどに嫌悪感を覚えつつもこの作品にも手を伸ばしてしまった。もうあんなシーン読みたくないと思いつつも今度はどんな怖い場面があるんだろうとほんの少し期待してしまっていた。前作よりも読みやすくて雪麻呂と富蔵の掛け合いがかわいらしくてラストもなるほどと思える終わり方で良かった。
読了日:06月18日 著者:飴村 行
ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔
前作を読んだのが10年くらい前なので覚えていなくて、この子ってこういう子だったけな、と手探り読んでいました。色んな弊害がありすぎてこんな時代はこないんだろうと思うけど羨ましい部分が多いな。
読了日:06月17日 著者:京極 夏彦
少女外道少女外道
人に隠している想いや倒錯的なものをいやらしくなく美しく描いてあって溜息が出る。汚い部分も入っているんだけど、飾ってない、嘘のない話ばかりでした。「少女外道」「隠り沼の」「標本箱」「祝祭」が好き。
読了日:06月14日 著者:皆川 博子
TYOゴシック (モンキーブックス)TYOゴシック (モンキーブックス)
説明が多くないので何の話なんだろうと思っているうちにどんどん話が進んでしまう。理解しようとするんじゃなくてこの東京を楽しめればいいのかなと思った。「鰓で呼吸する」が好きでした。
読了日:06月12日 著者:古川 日出男
ロスト・シンボル 下ロスト・シンボル 下
徹底してエンターテイメントで、実際シリーズ作品が映画化しているんもあるけどハリウッド映画のよう。次々と襲い掛かる危機を回避していくとこなど特に。フリーメイソンにますます興味が出た。
読了日:06月11日 著者:ダン・ブラウン
ロスト・シンボル 上ロスト・シンボル 上
読了日:06月10日 著者:ダン・ブラウン
炎上する君炎上する君
ほんの少しの不思議さが良かった。どの話も現実に折り合いがつけられない不器用な女性っていうのも好き。特に「太陽の上」「空を待つ」「炎上する君」が好きでした。
読了日:06月08日 著者:西 加奈子
妖女のねむり (新潮文庫)妖女のねむり (新潮文庫)
転生で全部済ませてしまうのかなと少し不安に思いつつ読み進めていたけど、もちろんそのまま終わるはずなかった。さすが泡坂さん。
読了日:06月08日 著者:泡坂 妻夫
聖母(マドンナ)の深き淵 (角川文庫)聖母(マドンナ)の深き淵 (角川文庫)
前作もそうだったけど緑子や周りの人が性に奔放すぎてすごい。出てくる人が性を超越しすぎていて置いていかれる感があったり、山内の緑子への暴行はなんで?って思ったがそれでも面白い。女性性と上手く向き合っている緑子はやっぱり強い。麻生龍太郎シリーズも読みたい。
読了日:06月05日 著者:柴田 よしき
まほろ駅前番外地まほろ駅前番外地
前作に出てきた人物について色々知れたりできて楽しかったが、前作と比べると悪くはないけど、何も残らない感じでした。行天のはちゃめちゃぶりが増していた気がする。続編あるのかな、という終わり方。
読了日:06月03日 著者:三浦 しをん
蝶
どの話も戦中戦後の時代と皆川さんの持つ世界観がはまって背徳的な美しさがある。短い話だけど濃厚。「妙に清らの」「遺し文」が好きでした。
読了日:06月02日 著者:皆川 博子
青年のための読書クラブ青年のための読書クラブ
みんながみんなかわいい。特別な人が主役じゃなくて読書がすきな普通の高校生が主役なのがいい。やっぱり女子高には男の子の役回りが必要。
読了日:06月01日 著者:桜庭 一樹

2012年6月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

5月分と相撲の話。

先場所。灰になったよ。稀勢の里の奮闘ですよ。決定戦に参加できなかったのは残念だったけど、近いうちに優勝できるんじゃないかなと思わせてくれたし、きっとバネにしてくれる。期待しちゃうよ。あと鶴竜も相変わらず好き。大関になってかわいさが増している気が…。あと琴欧洲のことはもうそろそろ責めるのはかわいそうなのでいいんじゃないかなと。わたしも千秋楽にはがっかりしたけども、無理してもう出られない状況になってたよりはましかな、と考えるようになったし。


さて先月の読書。冊数だけ見ると結構読んでたんだなぁ。


5月の読書メーター
読んだ本の数:21冊
読んだページ数:7444ページ
ナイス数:90ナイス

仮想儀礼〈下〉仮想儀礼〈下〉
最後の方は読んでいて辛かった。基本的に宗教は周りがどう言おうと本人が幸せなり信じるものを感じることができればいいと思うけど、こんなにも狂信的になり他者を受け入れられないものって怖い。桐生は矢口の死をきっかけに女性達を庇うことにしたのか、信者の狂気に触れて本物の祖師になってしまったのか。
読了日:05月31日 著者:篠田 節子
仮想儀礼〈上〉仮想儀礼〈上〉
自分は信心深くないし宗教にはまったことってなけど、一つのものにはまるととことんはまってしまい、盲目的に好きになってしまったことがあるので、表面的な宗教にだまされてしまう側になるか冷めて見てる側になるかは紙一重なんだろうなと。今後このまま上手くいくはずはないので気になる。
読了日:05月29日 著者:篠田 節子
夜行観覧車夜行観覧車
誰の気持ちにも「すごくわかる」とは思えないけれど、一人一人の一部分のみにならすごくわかるなぁと思える気持ちがあって、誰も憎めないし、誰も根っから悪い人なんていない。みんな家が嫌いだと思っていても結局帰るし、帰るしかないんだよなぁ。
読了日:05月27日 著者:湊 かなえ
テンペスト 第四巻 冬虹 (角川文庫)テンペスト 第四巻 冬虹 (角川文庫)
歴史として琉球が滅んでしまったことは知っているけど、寧温と朝薫が沢山の困難を乗り越えていくのを見る度、この二人ならそれを回避できるんじゃないかと期待してしまった。真鶴は母として生きていけるけれど、寧温も朝薫も真牛も琉球が似合うし琉球でしか生きていけなくて、そういう琉球を愛した人達により今の沖縄もあるんだろうなと思った。琉球と沖縄の美しさが伝わる物語でした。
読了日:05月26日 著者:池上 永一
テンペスト 第三巻 秋雨 (角川文庫)テンペスト 第三巻 秋雨 (角川文庫)
読了日:05月24日 著者:池上 永一
テンペスト 第二巻 夏雲 (角川文庫)テンペスト 第二巻 夏雲 (角川文庫)
読了日:05月23日 著者:池上 永一
テンペスト 第一巻 春雷 (角川文庫)テンペスト 第一巻 春雷 (角川文庫)
もっと難しいかと思ってたけど読みやすかった。寧温も周りの人もみんな魅力的で楽しい。女達の戦いなどはコミカルで面白い。
読了日:05月22日 著者:池上 永一
GOSICKVII‐ゴシック・薔薇色の人生‐ (角川文庫)GOSICKVII‐ゴシック・薔薇色の人生‐ (角川文庫)
話がぐっと進んで終盤に近づいてきた気配。オカルト省と科学アカデミーが、コルデリアとヴィクトリカとブロア侯爵がどうなるのか楽しみ。
読了日:05月21日 著者:桜庭 一樹
薔薇密室薔薇密室
創作された物語にしても真実にしても薔薇を抱き込み生きる人間というのは美しすぎる。倒錯していくコンラートを含めてこの現実離れした世界が実在していたらと思ってしまう。ユーリクとミルカや薔薇の若者とコンラート、エルゼとナタニエル、一つ一つの話がずっしり重く濃厚でこの世界観にどっぷりと浸かれた。
読了日:05月19日 著者:皆川 博子
文明の子文明の子
人物の名前やモノの名前一つとっても、太田さんのこだわりが凄く感じられたし、小説を愛している人なんだなぁと改めて思わされた。全編通してきらきらしているし、優しい光と風に溢れている。太田さんは人間が好きなんだろな、その素直さが涙が出るほど羨ましい。
読了日:05月16日 著者:太田 光
エンジョイしなけりゃ意味ないね (幻冬舎文庫)エンジョイしなけりゃ意味ないね (幻冬舎文庫)
アッコさんがかわいい。「まだ好きじゃない」のアッコさんはそんなに好きじゃなかったけど、「あともう少し」と「六年後、またはYeah!」と読み進めていくうちに好きになった。ちょっとプライド高く、後輩には弱い部分を見せなく、語ってしまったりする。でも本当の自分の大切なところは見せない、ってかわいい。「千鶴餅」や「エンジョイしなけりゃ意味ないね」も好きでした。
読了日:05月15日 著者:朝倉 かすみ
砂の王国(下)砂の王国(下)
きっとこのまま上手くいかないんだろうな、その時どうするんだろうって思ってたので、これから先が気になるところで終わってしまって消化不良気味。美奈子とのことや、卓人たちと大地の会に対していくところや、仲村の真意など知りたかった。山崎がまたどん底から這い上がっていくところが見たかった。
読了日:05月14日 著者:荻原 浩
砂の王国(上)砂の王国(上)
仲村の素性が気になる。新興宗教として成功するのか、他に沢山あるものと同じように埋もれてしまうのか。
読了日:05月12日 著者:荻原 浩
しかたのない水 (新潮文庫)しかたのない水 (新潮文庫)
フィットネスクラブって個人で来てる人が多いしこんなに色んな人が集まるところって他にはないかも。「クラプトンと骨壷」が好き。
読了日:05月10日 著者:井上 荒野
上と外 下 (2) (幻冬舎文庫 お 7-10)上と外 下 (2) (幻冬舎文庫 お 7-10)
次々とあり得ないような災難が練と千華子に降りかかりすぎて少し冷めた目で「こんなになんでも乗り越えていけるものか」と見てしまった。千鶴子も急にいい母親になり、でも相変わらず練のことは考えていなかったりと好きになれなかった。一つ一つの謎解きのような冒険としては面白かった。
読了日:05月09日 著者:恩田 陸
上と外〈上〉 (幻冬舎文庫)上と外〈上〉 (幻冬舎文庫)
練と千華子がたくましい。自分だったら生きることを諦めてしまいそう。二人が精神的に大人だなぁと思った。今後どうなるのか楽しみ。
読了日:05月07日 著者:恩田 陸
春のとなり春のとなり
戦後、焼け野原だったところがどんどん復興していく町と活気付いていく人達。何もやりたいことがなくて周りに置き去りにされていく自分。この時代ほど映画や演劇などにみんなが一点に夢中になっているところが羨ましい。
読了日:05月05日 著者:泡坂 妻夫
格闘する者に○ (新潮文庫)格闘する者に○ (新潮文庫)
面接官とのやり取りで悔しい思いをするところがほんとに痛い程わかる。理不尽なことでもどうしようもないことって溢れるほどある。それに対する可南子をかわいいと思った。でもそれを暖かく見守ってくれる西園寺さんのような人もいる。二木くんと砂子との三人組も好き。
読了日:05月03日 著者:三浦 しをん
春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)
二人の詳しい過去が気になる。自分に危害を加える相手は容赦なく叩き伏せている小佐内さんも見てみたい。小鳩は小市民にならなくても学校生活を切り抜ける要領のよさを持っている感じがした。小佐内さんの小さい体に吸い込まれていくかのように消えるスイーツ。小佐内さんかわいい。
読了日:05月02日 著者:米澤 穂信
僕たちは歩かない (角川文庫)僕たちは歩かない (角川文庫)
優しい文章が続く小説。「僕たち」がすんなり26時間制の東京に入り込み馴染んでいく様がよくて、読んでいるこちらも当然のようにその世界を受け入れられる。「僕たち」の一人が脱落していくときも悲しいが綺麗すぎて受け入れてしまう。一番好きなセリフは「"こちら側"では二時間多いから夜余分に冷え込むんだ。分かるだろ?」
読了日:05月01日 著者:古川 日出男
NECK (講談社文庫)NECK (講談社文庫)
絵も入っているし、さくさく読める変な話たち。「a story」と「the original」が好きでした。「a story」のノジャジャがかっこよすぎる。変な走り方も強すぎるところも母親とのやり取り、どれを取っても良い。「the original」は愛媛川を掘り出しに行ったら女の人が抱きつくように埋まっていたところがこの本の中で一番怖くて面白くてぞくぞくできた。
読了日:05月01日 著者:舞城 王太郎

2012年5月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

4月分

GWなので旅立つ。



4月の読書メーター
読んだ本の数:17冊
読んだページ数:5968ページ
ナイス数:67ナイス

大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモア-序章 (新潮文庫)大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモア-序章 (新潮文庫)
「大工よ、屋根の梁を高く上げよ」面白かった。やっぱりシーモアは魅力的な人だ。悩んでいる人って凄く魅力的なんだなって思える小説。そしてシーモアサリンジャーを重ねてしまう。「シーモア―序章―」は難しかった。
読了日:04月28日 著者:J.D. サリンジャー
みんなの図書室 (PHP文芸文庫)みんなの図書室 (PHP文芸文庫)
今後の読書の参考に。
読了日:04月26日 著者:小川 洋子
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)
読むのが勿体無く感じ中々読み始められなかったけど、その期待を裏切らない面白さだった。解剖が何よりも好きな医師とその師を尊敬して何かとフォローする弟子達。設定だけでもくらくらとめまいがしそうなほど良い。そしてこのバートンズの面々が全員魅力的でこの関係が事件によって変わってしまうのが切ない。自分を殺してダニエルの教室を守ったエドとナイジェルはこれからどこに行ってどうなるのか。ジョン・フィールディングという人も他の小説で読んで最近気になる人。
読了日:04月25日 著者:皆川 博子
しのぶセンセにサヨナラ (講談社文庫)しのぶセンセにサヨナラ (講談社文庫)
関西弁にあまり馴染みがないので関西弁の会話には結構つまりつつ読むことが多いけどこのシリーズはさくさく読める。しのぶ先生と生徒の軽快なやりとりが楽しい。
読了日:04月23日 著者:東野 圭吾
ジョン・ランプリエールの辞書 (下) (創元推理文庫)ジョン・ランプリエールの辞書 (下) (創元推理文庫)
知っているギリシャ神話になぞらえている話は面白く読めたけど知らない歴史など多くて難しい部分もあった。もっとその辺の知識があるととても楽しめたんだろうな。
読了日:04月22日 著者:ローレンス・ノーフォーク
ジョン・ランプリエールの辞書 (上) (創元推理文庫)ジョン・ランプリエールの辞書 (上) (創元推理文庫)
読了日:04月20日 著者:ローレンス・ノーフォーク
AnotherAnother
「もう一人」が誰なのかという推理部分で、こういうので自分の推理が当たったことがないけどこれはわかったのでちょっと嬉しかった。今後も三年三組の呪いは続くっぽいがこの恒一の年度で終わって欲しかったなぁ。
読了日:04月17日 著者:綾辻 行人
凍りのくじら (講談社文庫)凍りのくじら (講談社文庫)
高校生なのにすごくしっかりしていて大人だなって人は周りにいたけど、理帆子のように周りを馬鹿にして下に見て自分の位置を上げ大人のように見せていることに嫌悪感を持ちながらの読了になってしまった。孤独にもなれるけどならないで、周りにあわせることのできる自分。「でも本当は弱いの」っていうのはずるくて好きになれなかった。
読了日:04月15日 著者:辻村 深月
巷説百物語 (角川文庫)巷説百物語 (角川文庫)
依頼された仕事を粛々と進めて解決。読んでいてすっきりできるエンターテイメント性の高い小説で面白かった。
読了日:04月13日 著者:京極 夏彦
九月が永遠に続けば (新潮文庫)九月が永遠に続けば (新潮文庫)
人物が凄く多面的に描いてあったので想像しやすかった。服部のことは最初うざったいと思っていたけど、損得考えない人の良さがだんだんわかってきて好きになった。逆に正義感が強いかっこよい印象だった雄一郎がとってもずるい部分があってがっかりしたり。すごく人間臭い人ばかりで読んでいて面白かった。
読了日:04月11日 著者:沼田 まほかる
猫のゆりかご (ハヤカワ文庫 SF 353)猫のゆりかご (ハヤカワ文庫 SF 353)
不思議な宗教、不思議な人達。わからない部分もあったけどそれを超越して面白い。だからこそのヴォネガット
読了日:04月09日 著者:カート・ヴォネガット・ジュニア
13階段 (講談社文庫)13階段 (講談社文庫)
真犯人は誰なんだろうとミステリ部分も楽しめたけど、何より死刑について考えた。死刑制度があるってことは死刑執行する人がいるってこと、仇討ちは認められていないなか、死刑には応報刑思想が含まれているのか。「執行命令が大臣の職務と法律で定められている以上、それが嫌なら大臣就任を断るべき」にはすごく納得。実際に執行する人がいて、被害者がいる以上、自分だけの思想で動くことはとても罪だと感じた。
読了日:04月07日 著者:高野 和明
妊娠カレンダー (文春文庫)妊娠カレンダー (文春文庫)
小さな悪意、自分の中の見えない毒に少し共感。大きな反感を持っているわけじゃないけど、この毒で何か小さなことが起こるのを見てみたいという少しの興味は理解できる。
読了日:04月05日 著者:小川 洋子
ぼくと、ぼくらの夏 (文春文庫)ぼくと、ぼくらの夏 (文春文庫)
わざとそういう風に書いてあるのだと思うけど、主人公の気持ちが平坦に感じ、何を考えているかよくわからなくて、波がある時もそれと同じ気持ちになれず戸惑った。皮肉の多い会話も面白いというより、軽薄な感じ。
読了日:04月04日 著者:樋口 有介
荒野―16歳 恋しらぬ猫のふり (文春文庫)荒野―16歳 恋しらぬ猫のふり (文春文庫)
やっぱり荒野は12歳から大人だと思った。中学から高校と時って自分の中のあふれ出してくる自我と周りの大人との折り合いがつかなくて、いらいらしてしまうことがあったけど、荒野は悲しいことや辛いことがあってもどこか冷静に分析している自分がいて、こういう人が大人なんだろうなって感じた。
読了日:04月02日 著者:桜庭 一樹
荒野 14歳 勝ち猫、負け猫 (文春文庫)荒野 14歳 勝ち猫、負け猫 (文春文庫)
悠也と荒野の文通がねちねちした長い文章じゃなく簡潔なところが好き。悠也も好きだけど阿木くんもいい子で、傷ついている様子がつらかった。
読了日:04月02日 著者:桜庭 一樹
荒野―12歳ぼくの小さな黒猫ちゃん (文春文庫)荒野―12歳ぼくの小さな黒猫ちゃん (文春文庫)
荒野は自分を大人になれていないと感じているみたいだけど、戸惑ったり、不安になったときの乱れなさは結構大人だなと思った。悠也が凄く魅力的。中学生男子の現実はもっとおバカで残酷。今後の荒野の4年がどうなるのか楽しみ。
読了日:04月01日 著者:桜庭 一樹

2012年4月の読書メーターまとめ詳細
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