10月31日

命日なのだ。華月の。阿蘇に登るの、だ。阿蘇にて偲ぶの、だ。毎年、この日はどうしようもなくじっとしていられなくて、でもどこへ行けばいいのかわからないから、高くて広くて寒くて、山とか馬とかだけを視界に入れて、他のものを一切排除するために阿蘇に行く。人の感傷が伝染してくる範囲にはいたくない。





なるべく車も人も少ない時間にと、朝早くから行ってきた。長い長い俵山トンネルを出たらいきなり風車が目の前に。とかだったら感動するんだろうけど、家からでもちっちゃく見えている風車。どんどん近くになる風車を目指して行く。

なんであんなにもミュージシャンってのは危ういバランスで生きている人が多いのだろう。でも、それでも、なんとかでも、生きていけるならいい。19歳なんて早すぎる。このことに、なんで19歳で?なんで華月が?と考えることはもう放棄しているのかもしれない。ただただこの不条理を恨んでる。目をそらす方が生きやすいこともある。それでもなんで?はつきないので阿蘇に行く、のだ。