1月の読書メーター
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:5313ページ
ナイス数:12ナイス

木洩れ日に泳ぐ魚 (文春文庫)木洩れ日に泳ぐ魚 (文春文庫)
天気がいい日の大きな木の枝葉の間から透かして見える空や、木漏れ日に染まっている体を眺めている様がリアルに想像できた。恩田さんの文章はほんとに旅愁溢れている。最初は二人とも冷静な頭のいい人だと思ってたら、男の狡さが露呈していく過程が面白かった。アキの相手のイヤな部分を見た時のサーッっと冷静にひいて行く気持ちの移りは残酷だけど凄くわかる。恋愛から困難が除かれたときに自分の気持ちが困難によって大きくなっていたことに気付くこともわかる。
読了日:01月30日 著者:恩田 陸
桜さがし (集英社文庫)桜さがし (集英社文庫)
ミステリというより恋愛の方が強く感じた。ああいう男女4人組がいたら好きになれない人が一人必ずと言っていいくらいいるがこの4人はみんな好きになれた。もちろん浅間寺も。柴田さんは自分の欲望に忠実だけど汚くない大人を書くのが上手いなぁ。このみんなの10年後が知りたいな。
読了日:01月29日 著者:柴田 よしき
凍りついた香り (幻冬舎文庫)凍りついた香り (幻冬舎文庫)
涼子も弘之も彰も母親もジェニャックもみんないい人なんだけど、どこか殺伐として残酷で。弘之が生きていくには繊細すぎたのだろうか。それとも世界には数式で割り切れないものと色んな香りであふれすぎているから?
読了日:01月27日 著者:小川 洋子
喜劇悲奇劇 (ハルキ文庫)喜劇悲奇劇 (ハルキ文庫)
名前が回文になっている人が殺される、一風変わったショウに出る人達。こういうどこかコミカルなところがミステリーと上手く合わさっているところや、主役がアル中のダメな七郎だったりするところが泡坂さんらしい小説で面白かった。終盤、いきなり芥子之助が活躍しだしたところにすこし戸惑ったけど、その奇妙さも泡坂さんの味と、キャラクターを愛するところだと思う。
読了日:01月26日 著者:泡坂 妻夫
仏果を得ず (双葉文庫)仏果を得ず (双葉文庫)
厳しい師匠から認められ大役を任せられる、過去に相方を亡くした人とコンビを組むことに、ミラちゃんの失踪、等々…定石通りだけど、全キャラクターがとても魅力的で飽きることなく楽しかった。人形浄瑠璃って 見たことないし、作中で健もそうだったように人間の欲に忠実そうな物語に共感できることはあまり無さそうだけど、だからこそ凄く惹かれた。是非見てみたいと思った。
読了日:01月25日 著者:三浦 しをん
七人のおば (創元推理文庫)七人のおば (創元推理文庫)
読みやすくてさくさく進められた。ミステリーものというより家族ドラマという感じ。今の自分のなかの常識じゃ考えられないひどい姉妹で、それでも一緒に住んでいられるのが不思議でしょうがなかった。テッシーへの扱いが酷くてもっと同情されるべき人だと思うけどなぁ。
読了日:01月23日 著者:パット・マガー
アンボス・ムンドス―ふたつの世界 (文春文庫)アンボス・ムンドス―ふたつの世界 (文春文庫)
解説にも書いてあったように、これが桐野さんの文章だろうかってくらいに他の作品とは違い、鋭い書き口じゃなく柔らかだった。特に「浮島の森」。過去を振り返る時、そこには自分の負のものがあったり、「作家は悪人でなければならない」とかその辺は桐野節が出ていたけど、時代もあってか冷静に感情をコントロールできている女性を描いていて今までにない感覚でした。でもやっぱり桐野さんは長編が好き
読了日:01月21日 著者:桐野 夏生
照柿(下) (講談社文庫)照柿(下) (講談社文庫)
合田ってこんな人だったけ?と「マークスの山」の合田と違うような気がして序盤は少し戸惑っていたけど、終盤、野田との関係を説明する合田に、ああこんなにも繊細で人間味溢れる人だったんだと凄く合田を好きになれた。人間一人に対する自分の気持ちは一人対一人じゃなく、そこに何人もの人と過去が絡んでできている関係なんだとひしひしと感じた。自分の気持ちにとまどう不快さ、自分のことがわからない不快さに溜息がでるほど共感。面白かった!
読了日:01月20日 著者:高村 薫
照柿(上) (講談社文庫)照柿(上) (講談社文庫)
野田の人間臭さに凄く共感できた。常に不快に生きているという野田。新たな不快の断片が入ってくると過去の不快も呼び起こされる感覚。わかるなぁとうなった。そして下巻へ
読了日:01月18日 著者:高村 薫
雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)
面白かった!ドバムネキこわー。闇番いい人。風わいわい、悪い憑き物だと思ったら違った。と、キャラクターにとっても愛着沸いたし、読み終えるのがもったいなく、ずっとこの和ファンタジーホラーの世界観に浸っていたかった。それにしても沙智子が一番怖かった。
読了日:01月14日 著者:恒川 光太郎
むかし僕が死んだ家 (講談社文庫)むかし僕が死んだ家 (講談社文庫)
もっと記憶って微妙で曖昧だと思うんだけど、こんなに綺麗に思い出したりするものなのかな?って思った。ずっと秘密を守り続けた親と妹を守った佑介くんはすごい。
読了日:01月13日 著者:東野 圭吾
クラインの壷 (講談社文庫)クラインの壷 (講談社文庫)
20年以上前の作品とは思えないくらい、今、リアルに想像できる世界。もう数年経ったら実現できたりするんだろうか。ゲームの中身も別荘に逃げた後もどきどきはらはらできた。自分の感覚さえ信じられない怖さ、この本を持つ感覚さえ嘘なのかもと思える怖さ。
読了日:01月11日 著者:岡嶋 二人
ALONE TOGETHER (双葉文庫)ALONE TOGETHER (双葉文庫)
主人公にもサクラにも教授にもとても理屈っぽさを感じて誰にも共感できなかった。若い時って悩んでいるときはあんなにかっこよく、自分や他人に向き合えなくてもっと感情的でになってしまうし、それでいいと思う。
読了日:01月08日 著者:本多 孝好
マークスの山(下) (講談社文庫)マークスの山(下) (講談社文庫)
再読。水沢と真知子と一緒にずっと過ごしてほしかった。最後、水沢の眼球が熱でどろりととける場面が印象的。
読了日:01月07日 著者:高村 薫
マークスの山(上) (講談社文庫)マークスの山(上) (講談社文庫)
再読。照柿を読もうと思ったけど、前作をすっかり忘れていたので。
読了日:01月04日 著者:高村 薫

2012年1月の読書メーターまとめ詳細
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